みがき棒鋼とは
磨棒鋼は、棒鋼、コイルを素材とし、ダイスを通して引き抜き矯正、加工した寸法 精度の高い高級精密な棒鋼二次製品であり、製品の断面形状は、丸、六角、四角、平、異形で寸法は、3~120mm程度である。素材は、主に炭素鋼、合金鋼等である。
磨棒鋼の製造方法
「鉄は熱いうちに叩け」のことわざ通り、一般に鋼材を作る場合、熱間圧延で成形すると加工しやすいのですが、熱間だと表面に黒皮と称するスケールが付着し、見栄えが良くありません。また、寸法精度、長さ精度、真直性もあまり良くなくそのまま使用する用途は限られるのです。その黒皮材を素材よりも細い穴のあいたダイスに素材を通し、決められた寸法に引き落とすことを引き抜きといいます。
冷間で穴のあいたダイスに素材を通すと著しく表面光沢のある、寸法精度の良い真っ直ぐな鋼材になります。それを、みがき棒鋼、英語でCold drawn barと呼びます。みがき棒鋼を作る方法は3通りあり、
- ダイス(金型)を通し冷間で引き抜き加工する。
引抜きは ダイスを通して作る方法でみがき品の90%以上がこれです
コスト的にも引抜法が最も安価です。 - バイトで切削(旋削)加工する。
切削または旋削はピーリングまたは英語でTurned and polished barとも言い、工具で削る方法です。 - センターレスグラインダーでBar材表面を研削加工する。
研削(研磨)は砥石を使い、表面を削りますが、引抜きに比べ、浅くしか削れません。引抜き研削(研磨)と切削、 英語でGround barと呼んでいます。
一般的には、製品がBarの場合を「引き抜き」、Coilの場合には「伸線」と呼ぶことが多いようです。
また、素材形状と製品形状の関係から分けると
- Coil素材からBar製品に引き抜き加工する(連続引き抜き)(動画1)
- Coil素材からCoil製品に引き抜き加工する(伸線)(動画2)
- Bar素材からBar製品に引き抜き加工する(引き抜き)(動画3)
昔は字の如く棒状のもの(Bar材)が主流でしたが、その後の圧延技術・冷間加工技術の向上により、現在は棒状のものよりも線状のもの(Coil材)の生産も多くなっています。
Bar材は主に切削加工・転造用などに、Coil材は冷間圧造(Cold Header)用に主として使用されます。
磨棒鋼製造工程
動画1 Coil to Ber 引抜行程 コイル→ショットブラスト→ダイス(引抜き)→キャリエージ→製品
動画2 Coil to Coil 引抜行程 コイル→酸洗→ダイス(引抜き)→製品(コイル)
動画3 Bar to Bar 引抜行程 バー→ショットブラスト→ダイス(引抜き)→キャリエージ→製品(バー)